世界三大奇虫-凶暴な捕食者ヒヨケムシ。謎の生態や都市伝説の正体

ヒヨケムシアイキャッチ 未分類

「世界三大奇虫」をご存じだろうか。

ウデムシ、ヒヨケムシ、サソリモドキという、ビジュアルも生態もミステリアスな虫たちだ。

3種とも分類や生態などに不明な点が多く、あまりの奇妙さからこのような称号を与えられている。

そんなロマンあふれる奇虫の中から、今回はヒヨケムシの魅力を紹介する。

この記事では、ヒヨケムシの

  • 謎に包まれた生態、習性
  • 衝撃的な捕食映像
  • 巨大な鋏角や脚の本数などの特徴
  • 虫最速を誇る走力
  • 人を襲う、体長50㎝以上の大型がいる、などの都市伝説や噂

など、ヒヨケムシの特徴と魅力をたっぷりとお伝えしている。

世界三大奇虫 ヒヨケムシとは

まずはこちらの動画をご覧いただこう。
これが、世界三大奇虫ヒヨケムシだ。

※虫を捕食するシーンがある。
苦手な人にとってはもはや衝撃映像だ。

エジプト産ヒヨケムシ 【熱帯倶楽部 本店】

ヒヨケムシの生態について

概要

  • 和名 ヒヨケムシ(日避虫)
  • 学名 Solifugae
  • 呼称 Camel spider/Wind scorpion/Wind spider
  • 分類 陸生節足動物 クモガタ綱ヒヨケムシ目
  • 体長 数㎜~最大15㎝
  • 生息地 砂漠や乾燥地域、熱帯、亜熱帯(オセアニアを除く)

ヒヨケムシの研究はあまり進んでおらず、詳細な生態については不明な点が多い。

後述するが、人を襲う生物だとか、大型は体長50㎝を超えるなどの噂もある。

ここでは、現在までに明らかになっている生態について触れていく。

生息地

主に砂漠地帯。

乾燥地域や熱帯、亜熱帯にも生息していることがわかっている。(オセアニアを除く)
また、日本で発見された例もあるが、日本国内には生息していない。

分類

クモガタ綱ヒヨケムシ目

確認されているだけでも、13科153属1100種以上と、非常に広く分類されている。
中でも最大のグループはサメヒヨケムシ科で、200種以上も存在する。

ルーツ

最も古いヒヨケムシの化石は、およそ3億500万年前のものである。
それ以前にも、ヒヨケムシの原型だとされている化石が存在するが、正確には定かではない。

ヒヨケムシは太古の昔から地上に存在する、生きた化石なのだ。

食性

肉食動物。

主には昆虫や虫。時にはネズミやトカゲ、小鳥などをも食す、どう猛な捕食者だ。
また、共食いすることもある。

ヒヨケムシは風貌からして、いかにも肉食だ。
草や木の実を食べて満足する生物ではないだろうと想像させられる。

習性

昼行性の種もいるが、主に夜行性。

普段は砂の中、草木や小石の下に隠れていることが多い。
太陽の光を浴びることを好まず、日光を避けるようにして行動することから「日避虫」という和名がついている。

近くに人がいた場合、日光を避ける目的で人の陰に走り寄ってくる。
このヒヨケムシの行動が、人を襲うといわれている理由だ。

サイズ

数㎜~最大15㎝。
5㎝程度のサイズがよく見られる。

ヒヨケムシは立体的な形をしているため、実際のサイズよりもかなり大きく見える。
10㎝を超える大型はかなりのインパクトだ。

毒性

なし。

幸いにも毒性はない。
これで毒虫だったならば、最速はおろか最強の虫となっていたかもしれない。

ヒヨケムシの魅力 かっこいいビジュアル

ここからは、ヒヨケムシの特徴と魅力をみてみよう。

まずはなんといっても、ビジュアルだ。

出典:Wikimedia Commons

クモのようなサソリのような風貌、脚の本数や形、前方に突出した長い節足、透明感。

『うわ!なんだコレ!?キモい!!』
と思わず口にしてしまう衝撃的なフォルムは、まるでエイリアン。
初見で驚かない人は少ないのではないだろうか。

ヒヨケムシのビジュアルは少々グロテスクでもあるのだが、何度も見てしまう不思議なかっこよさがある。
愛称を付けるなら「未熟な完全体」がふさわしいか。

このグロかっこいいビジュアルは、ヒヨケムシの魅力の一つだ。

ヒヨケムシの強力な武器 脚と巨大な鋏角

脚に注目してほしい。

ヒヨケムシは生態が不明なことから、誤解されがちである。

その一つが脚の本数で、「クモなのに脚が10本ある」などと言われることが多い。
しかし、ヒヨケムシの脚は8本だ。

実際にヒヨケムシの姿を見ながら解説していこう。

ヒヨケムシ全体像
出典:Wikimedia Commons

ヒヨケムシの脚は何本あるだろうか。

一見、ヒヨケムシの脚は5対10本のように見える。
10本に見えるのは、前方に突出している長い節足があるためだ。

実はこの節足は脚ではなく、巨大な鋏角なのである。
胴体と同じ長さほども発達している鋏角は、獲物を掴むための触肢。内側には歯も並んでいる。

つまり、ヒヨケムシの脚はクモと同じ8本。
鋏角が巨大なことにより脚が10本だと誤解されてしまうのだ。

この鋏角は、捕食者ヒヨケムシの強力な武器となっている。

ヒヨケムシの走力は虫最速?

ヒヨケムシは肉眼ではとらえられない速さで動く。
特に脚がとてつもなく速い

生態学的に明らかではないので推測の範囲ではあるが、ヒヨケムシは最速16Km/hで走るといわれている。
これは自転車を強めにこぐ速度、女子マラソンランナーが走る速度に近い。

これが事実だとすると、ヒヨケムシは驚異的な走力をもっていることになる。

ヒヨケムシの俊敏さがよくわかる映像がある。
走っている映像ではないが、参考までに載せておく。
驚きを通りこして笑いがでる速さだ。

Camel Spider Captures, Kills Millipede at ‘Warp Speed’ | Nat Geo Wild
出典:Camel Spider Captures, Kills Millipede at ‘Warp Speed’ | Nat Geo Wild

『虫のなかでの最速は?』という議論がよくされる。
現実的には理論的な問題があるので、理論抜きでの話だ。

最速の候補に挙がることが多い虫は、クモ、ゴキブリ、ゲジゲジ、そしてヒヨケムシ。
それらの中でも『虫最速はゴキブリだ』という説が有力である。

しかし、ゴキブリの走力はおよそ6km/h。
ヒヨケムシの走力が前述した通りの16Km/hであれば、圧倒的な速さでヒヨケムシが虫最速ということになる。

ヒヨケムシにまつわる恐ろしい都市伝説や噂

巨大ヒヨケムシ
体長50㎝以上もあるように見えるヒヨケムシの画像
出典:GIANT BOMB

ヒヨケムシにまつわる恐ろしい噂がある。
今では都市伝説となっているが、世界各地で話題にされている。
以下はその一例だ。

  • 人を襲う
  • ラクダの腹を破り食い殺す
  • 猛毒をもつ
  • 大型は体長50㎝以上

このような噂がたつのも、興味をひかれる奇妙なビジュアル、生態が謎に包まれている生物だからだろう。

しかし、これらは全て事実とは異なり、人が誇張したものが世間に広まったものだ。

それぞれ解説すると以下のようになる。

人を襲う

ヒヨケムシが人を襲うことは確認されていない。
むしろ人にとっては無害の生物だ。

ラクダの腹を破り食い殺す

Camel spider(キャメルスパイダー)の由来だ。
しかし、これについても人と同じで確認されていない。

推測だが、瀕死の状態もしくは死骸の腹にむらがる虫を捕食していたのではないか。
その異様な光景を目にした人らが「ラクダの腹を食っている」と解釈したのだろう。

猛毒をもつ

ヒヨケムシは毒をもたない。

しかし、直感的には猛毒をもつ危険な生物だと認識してもおかしくはない。
毒虫であるサソリにも似ていることから、Wind scorpion(ウィンドスコーピオン)とも呼ばれている。

大型は体長50㎝以上ある

これはまったくのデマである。
上部にある画像が、そのデマを流行らせた有名な画像だ。

デマが世界中に巡ったきっかけは、2003年のイラク戦争時。
米軍兵たちが巨大化したようにみえるヒヨケムシのフェイク画像を作り、インターネットで公開した。
そのフェイク画像を目にした多くの人が、憶測や想像をかきたてたことにある。

他にも、約50km/hで走る、2mジャンプするなどの噂がある。
現実であれば面白いのだが、残念なことにいずれも都市伝説だ。

まとめ

見る人を魅了するビジュアルで、生態も謎に包まれたヒヨケムシ。
そのミステリアスさに興味をそそられる人も多いだろう。

「世界三大奇虫」と称されるのも、納得だ。

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